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HSIのよもやま話~多様化(給排水)~

皆さんこんにちは。

 

さて今回は

~多様化~

 

現代社会のライフラインを支える「給排水工事」は、単なる水道管の設置や下水道の整備にとどまらず、近年その役割と手法が大きく多様化しています。人口集中による都市インフラの高度化、持続可能な開発、自然災害対策、高齢化社会への対応など、多くの社会課題に直面する中で、給排水工事のあり方は進化を続けています。

1. 設計の多様化:環境・用途に応じた対応

従来の給排水設計は、一般住宅や中小規模の施設を対象とした標準化が進んでいましたが、今では次のような多様なニーズに応える形で設計が細分化されています。

  • 高層ビルや大型商業施設向けの高圧給水システム

  • 災害時の断水リスクに備えた緊急給水・貯水システム

  • 医療施設向けの無菌水処理設備や排水の高度浄化処理

  • 工場におけるプロセス排水と再利用に向けた水循環設計

これらは、各施設の機能や立地条件、環境基準に応じたきめ細やかな設計力が求められる分野です。

2. 技術の多様化:スマート化と高精度施工

IoT技術やAIの導入により、給排水設備の設置・管理にも大きな変化が生まれています。

  • 漏水検知センサーと自動遮断システムの導入

  • スマートメーターによるリアルタイム監視

  • 地中レーダーや3Dスキャナーを活用した掘削の精密化

  • ドローンによる配管ルートの点検・記録

これにより、施工精度の向上や保守管理の効率化、さらには老朽化設備の早期発見が可能となり、安全性とコスト効率が両立されつつあります。

3. 工法の多様化:非開削工法やリニューアル技術

都市部の給排水工事では、騒音・振動・通行障害を最小限に抑えることが重要視されています。そのため、工法そのものも多様化しています。

  • 非開削工法(推進工法、内面補修)
     地下を掘削せずに配管を挿入したり、既設管の内面を樹脂で補強する方法。

  • スリップライニング工法
     古い配管の中に新しい管を挿入することで、既存設備を活かしたまま機能を更新。

  • モジュール化されたユニット設置
     工場で事前に組み立てたユニットを現場に設置することで、施工時間を大幅短縮。

こうした技術は、改修工事や施設の長寿命化において有効であり、特に更新需要が増す都市インフラにおいて注目されています。

4. 環境配慮の多様化:持続可能な社会への貢献

給排水工事もまた、脱炭素社会の構築に向けて環境負荷を減らす取り組みが始まっています。

  • 雨水利用システムの導入
     トイレ洗浄や植栽散水に雨水を活用することで水道使用量を削減。

  • グリーンインフラとの連携
     地下貯留槽や透水性舗装と連動し、都市型洪水やヒートアイランド対策に貢献。

  • 排水の再利用(グレイウォーター)
     生活雑排水の処理再利用により、水資源の有効活用を促進。

環境に配慮した設備設計や素材選び、地域の自然と調和したインフラ構築が求められる時代となっています。

5. サービスの多様化:顧客ニーズへの柔軟な対応

給排水業者の役割も、単なる配管工事からより総合的なサービスへと拡張しています。

  • リフォーム事業との連携
     水まわりリフォームと連動した一括施工提案。

  • コンサルティング業務
     新築や改修における水利用計画、節水シミュレーションの提供。

  • サブスクリプション型の点検サービス
     定期点検・水質検査・メンテナンスをパッケージ化したサービスモデル。

これにより、顧客との長期的な関係構築や、工事後の継続的な価値提供が可能となっています。


給排水工事は“裏方”から“戦略的インフラ”へ

かつては目立たない存在だった給排水工事ですが、都市機能の高度化、環境配慮、技術革新、サービスの深化などを背景に、今や“戦略的インフラ”としての存在感を増しています。多様化は単なる手法の選択肢の増加ではなく、社会の課題解決や人々の暮らしの質向上に直結する価値の広がりでもあるのです。

給排水工事の現場には、これからも“水”という資源を軸にした無限の可能性が眠っています。

 

 

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HSIのよもやま話~排水トラブル~

皆さんこんにちは。

 

さて今回は

~排水トラブル~

この記事では、給排水工事における起こりやすい排水トラブルの原因と対策、予防方法について、現場目線で詳しくご紹介します。

 

建物の快適性と衛生を支える給排水設備ですが、中でも「排水トラブル」は発生頻度が高く、居住者や施設利用者に直接的な影響を及ぼします。


◆ よくある排水トラブルの種類と原因

1. 排水管の詰まり

  • 主な原因:油脂・髪の毛・異物・スラッジの蓄積

  • 発生箇所:キッチン、洗面所、トイレ、洗濯排水口

  • 施工要因

    • 勾配不足による排水不良

    • 継手のズレによる流れの妨げ

    • 配管サイズの不適合

2. 悪臭の発生

  • 主な原因:封水切れ、排水管の破損、通気不良

  • 発生箇所:床排水口、トイレ、シンク下

  • 施工要因

    • トラップ未設置・未接続

    • 通気管不足または誤接続

    • 長時間の使用停止による乾燥

3. 漏水・水漏れ

  • 主な原因:パイプ接続部の劣化、施工不良、凍結

  • 発生箇所:床下、壁内、天井裏

  • 施工要因

    • シール不足(接着・ねじ込み)

    • 支持金具不足による配管たわみ

    • 配管保温の不備

4. 逆流・オーバーフロー

  • 主な原因:排水経路の閉塞、豪雨による公共桝の逆流

  • 発生箇所:低層階の排水口、マンホール、屋外桝

  • 施工要因

    • 非常用逆止弁の未設置

    • 排水経路の設計ミス

    • 枡の容量不足


◆ 現場でできるトラブル防止策

対策項目 実施内容
配管勾配の確保 最低1/100以上の勾配設計と実測確認を徹底
通気管の適切設置 トラップの封水を守るため、適所に通気管を設置
トラップの種類選定 床置き・Pトラップ・Sトラップなど用途に応じて適切に選ぶ
異物除去部材の設置 グリストラップ・ヘアキャッチャー・防虫網などの活用
保温と凍結対策 屋外配管や寒冷地では保温材+電熱ヒーター設置が有効

◆ メンテナンスの重要性

  • 定期点検:年1回以上の排水系統チェック(内視鏡検査含む)

  • 高圧洗浄:集合住宅や商業施設では定期的な清掃が推奨

  • 記録管理:トラブル発生履歴の記録と分析が再発防止に効果的


給排水工事における排水トラブルは、設計ミス・施工不良・使用上の管理不足のいずれか、または複合的要因で発生します。とくに「見えない場所」での施工が多いため、初期段階からの丁寧な施工と事後のメンテナンスが鍵を握ります。

 

 

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HSIのよもやま話~配管種別~

皆さんこんにちは。

 

さて今回は

~配管種別~

給排水設備で使用される主要な配管種別とその特徴を、施工現場目線で深掘り解説します。

 

給排水工事は、建物の快適性と衛生環境を支える基幹設備であり、その中核を担うのが「配管工事」です。使用する配管の材質や用途により、施工方法や注意点が大きく異なります。


◆ 給水用配管の主な種類と特徴

1. 硬質塩化ビニル管(HIVP)

  • 特徴:耐圧性に優れ、腐食しにくい。

  • 用途:屋内外の給水配管全般に使用。

  • 注意点:高温に弱く、直射日光による劣化リスクあり。

2. ポリエチレン管(PE管)

  • 特徴:柔軟性があり、凍結に強い。

  • 用途:寒冷地の屋外配管に多用。

  • 注意点:専用継手による接続が必須で、施工技術が求められる。

3. ステンレス鋼管(SUS管)

  • 特徴:高い耐久性と耐腐食性。

  • 用途:高層ビル・公共施設のメイン配管に使用。

  • 注意点:コストが高く、加工には専用工具が必要。


◆ 給湯用配管の種類と特徴

1. 架橋ポリエチレン管(PEX)

  • 特徴:高温耐性があり、軽量・柔軟で施工が容易。

  • 用途:戸建てや集合住宅の給湯管。

  • 注意点:直射日光に弱いため、保護措置が必要。

2. 銅管

  • 特徴:熱伝導性が高く、耐圧性能も優秀。

  • 用途:給湯器〜蛇口間の配管に使用されることが多い。

  • 注意点:腐食しやすい地域(水質)では不向き。


◆ 排水用配管の種類と特徴

1. 塩化ビニル管(VP管・VU管)

  • 特徴:軽量で加工が容易、コストも安価。

  • 用途:住宅やビルの排水管に広く使用。

  • 注意点:耐衝撃性が低く、埋設時の配管破損に注意。

2. 耐熱排水用塩ビ管(HT管)

  • 特徴:熱湯(60~80℃)排水にも対応。

  • 用途:厨房・浴室などの熱排水系統。

  • 注意点:通常のVP管と混用しないこと。

3. 鋳鉄管(ダクタイル管)

  • 特徴:高強度で遮音性に優れる。

  • 用途:マンションや商業施設などの立て管・横主管。

  • 注意点:重いため施工性は劣るが、耐久性は非常に高い。


◆ 特殊用途・共通配管

給水ポンプ配管

  • 使用圧が高いため、ねじ込み鋼管やSUS鋼管を使用。

床下配管(ヘッダー方式)

  • 各機器への配管距離が短縮でき、漏水リスクが軽減。

  • 使用管種:架橋PE管・ポリブテン管など


◆ 配管選定時の実務的ポイント

判断基準 配慮点
温度 給湯や熱排水には耐熱性が必要(HT管、PEXなど)
水質 銅管・鋼管は地域の水質との相性を確認
施工場所 屋外・地中・天井裏など設置条件により管種を選定
耐久年数とメンテ性 長期使用を想定する設備は交換しやすい配管材を選ぶ

給排水配管の材質と特徴を理解することは、施工品質・メンテナンス性・コストパフォーマンスに直結します。使用環境や用途に応じた最適な配管選定が、トラブルのない設備づくりの鍵です。

 

 

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HSIのよもやま話~チェック(配管編)~

皆さんこんにちは。

 

さて今回は

~チェック(配管編)~

ということで、チェック役割具体手順、その効果についてしく解説ます♪

 

配管工事見えない場所われること多く、施工ミス落とし後に重大トラブル引き起こす可能性あります。だからこそ、工事完了の「チェック(点検・確認作業)」非常重要です。


なぜ完了チェック重要か?

1. 漏水・ガス漏れなど事故防止

施工ミス部材不良により、見えない微細漏れ発生いることあります。チェック工程では、試験水張り試験を通じて確実漏れない確認ます。

2. 品質保証ため根拠づくり

チェックリスト試験結果記録残すことで、後々トラブルに対して証明となり、業者として信頼高めることできます。

3. 設備寿命延長

施工小さなミス締め忘れ早期発見し、補正することで、配管設備トラブル未然ぎ、長期安定稼働つながります。

4. 顧客満足向上

お客様にとって「見えない部分こそ丁寧ってた」感じもらうことが、安心満足つながり、ピート紹介大きな要因なります。


チェック項目一例

項目 内容
圧力試験 水圧・漏れない確認
水・通気確認 実際空気流し詰まり異音ない確認
勾配確認 排水管勾配図面通りか、流れ支障ない
接続確認 ジョイント・継手ゆるみや漏れない
清掃状態 工事後に管内・周辺きれい清掃いるか
お客様説明 点検内容今後使い方・注意しっかり伝える

チェックだけしないため

  • 複数ダブルチェック施工担当チェック行うこと落とし防止。

  • 写真記録活用後々説明保証根拠として有効。

  • お客様立ち会い実際確認らい、納得得る。


配管工事における「完了チェック」は、単なる確認作業ではなく、「責任ある工事完結させる最後仕事」です。この工程丁寧行うどうかで、品質・信頼・安全大きく変わります。プロとして誇り持ち、見えない品質こそ真摯向きいましょう。

 

 

 

 

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HSIのよもやま話~図面(配管編)~

皆さんこんにちは。

 

さて今回は

~図面(配管編)~

ということで、配管図面持つ重要役割や、図面活かすポイントについてしく解説ます♪

 

配管工事は、給排水・空調・ガスなど建物ライフライン担う極めて重要工事です。しかしその多く中、天井裏、床下といった“見えない場所”配置れるため、正確設計施工管理求めます。そのカギ握るが「配管図面」です。


配管図面基本役割

1. 配管ルート明確

建物構造設備干渉け、最適ルート確保するためは、事前図面確認不可欠です。図面ば、施工トラブル発生すくなります。

2. 施工精度確保

配管勾配支持金具位置、接続など、ミリ単位正確性要求れる場面でも、図面基準って品質保証ます。

3. 業種連携

電気、内装、空調など工事干渉防ぐためも、共通設計図面施工計画共有すること重要です。

4. 将来メンテナンス備える

配管図面は、点検トラブル対応、改修工事必須となります。図面あれ配管経路確認迅速え、復旧作業的確ます。


配管図面求められる内容

  • 配管種類・系統(給水・排水・ガス・空調など)

  • 種・サイズ・接続部位明記

  • 勾配支持間隔指定

  • バルブ・点検口・メンテナンス箇所配置

  • アイソメなど立体視点含める


実務活用ポイント

図面現場すり合わせ

現場合わせ調整必要場合でも、図面あれ変更正確管理できます。口頭感覚による施工ミス防ぐ最大防波堤です。

作業効率コスト最適化

配管図面により無駄資材削減、作業手順効率化、工期短縮つながります。

若手育成有効

経験浅い技術でも、図面作業進めることで、品質ながらスキル磨くことできます。


配管図面は「ただ設計図」ではなく、配管工事品質・効率・安全支える基盤です。正確図面作成活用は、見えない部分こそ責任持つプロフェッショナルでもあります。施工図面確認・共有徹底することで、トラブルない品質工事実現しましょう。

 

 

 

 

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HSIのよもやま話~設計(衛生設備編)~

皆さんこんにちは。

 

さて今回は

~設計(衛生設備編)~

ということで、衛生設備工事における設計の目的・構成・検討ポイント・近年の動向などを、実務者の視点から深く掘り下げて解説します。

 

見えない配管が支える、建築の“いのちの循環系”をデザインする

ビル・マンション・学校・工場・医療施設
あらゆる建築物において、人が生活し、働き、活動するうえで「水」は欠かせません。

この水を、安全・快適・効率的に供給・排出するために不可欠なのが、「衛生設備の設計」です。

建物が完成してからでは手直しが困難な、隠蔽される設備=衛生系統だからこそ、設計段階での的確な判断と調整が求められます。


✅ 衛生設備設計とは?

◼ 設計の定義と役割

衛生設備設計とは、建築物において「給水」「給湯」「排水」「通気」「衛生器具配置」などを合理的・効率的に計画・図示する行為です。
設計内容は、以下の工事に直結します

項目 設計内容
給水設備 配管ルート、管径、圧力計算、受水槽・加圧ポンプ選定
給湯設備 熱源選定(ボイラー・電気温水器等)、給湯配管
排水設備 排水系統、勾配設計、トラップ配置、通気方式
衛生器具配置 便器、洗面、浴槽などの仕様・配置・接続方式
特殊設備 雨水排水、グリーストラップ、浄化槽、医療系処理槽等

✅ 衛生設備設計の流れ

  1. 建築条件の把握(平面図・立面図・構造図の確認)

  2. 法規制の確認(建築基準法、水道法、排水基準など)

  3. 使用条件の整理(使用人数・同時使用率・負荷計算)

  4. ルート計画(スリーブ・シャフト・ピットの検討)

  5. 機器選定と図面化(設備機器と配管系統の設計)

  6. コストと省エネ性能の検討(初期・運用コストの最適化)

  7. 施主・建築・構造・電気・空調設計との連携・調整

👉Point: 設計は「図面を描く」だけでなく、全体との整合性を保つ「調整業務」でもあります。


✅ 設計における重要な検討事項

🔸 1. 配管ルートと勾配設計

  • 給水配管は最短ルートで圧力損失を最小限に

  • 排水配管は1/100〜1/50の勾配確保が必須

  • 通気管は封水保持と悪臭防止のための“呼び配管”が必要

  • 天井内、床下、PS(パイプスペース)の断面衝突防止

🔸 2. 管径・圧力計算

  • 使用器具の流量から必要な水圧・動水頭を算出

  • 立体建物では落差圧を考慮した加圧設備設計が必要

  • 逆流防止器の圧損、分岐点での流量分散も考慮

👉実務ヒント: 「上階でシャワーが弱い」「同時使用で排水が詰まる」といったトラブルは、設計時の計算不足に起因することが多いです。


🔸 3. 器具の配置とユニバーサルデザイン対応

  • 車いす対応便器、手洗い器の高さ・間隔の調整

  • 点検口の設置場所、器具メンテナンスの作業スペース確保

  • 水はね防止のための*給湯温度制限(50℃以下)などの安全設計


✅ 設計時に見落とされがちな確認ポイント

確認項目 内容
スリーブ計画 施工時に壁・梁貫通が不可になる可能性あり
架橋ポリエチレン管 or 鋼管 工場/病院など使用条件によって素材が変わる
防音・防振設計 住戸・宿泊施設では配管の振動音がクレームの元に
凍結防止 寒冷地では電熱ヒーター・保温材の指定が必須

✅ 近年の設計動向とトレンド

✅ 1. BIM(Building Information Modeling)との連携

  • 3Dモデルで空間干渉を事前にチェック

  • 他設備(空調・電気)とのルート衝突回避が効率的に

  • 建物の“ライフサイクル”全体での設計が可能に

✅ 2. 省エネルギー設計

  • 節水型器具(ロータンク便器、センサー水栓)

  • 高効率給湯器・ヒートポンプ給湯システムの活用

  • 災害対応型の雨水・中水利用システムの導入が増加


✅ 衛生設備設計は「建築と人をつなぐインターフェース」

衛生設備設計は、単なる「水道管の計画」ではありません。

それは
建築の中に命を通わせ、人の暮らしに寄り添う“循環システム”をデザインする仕事です。

  • 設備が“目に見えない”からこそ、設計には「未来を読む力」が必要

  • トラブルが“起きないように”考え抜く設計が信頼を生む

  • すべての人が「何も気にせず快適に使える」空間を創る、それがプロの仕事


✅ 衛生設備設計は、“見えないものを想像できる力”が問われる仕事

衛生設備の設計は、「施工を成功させるための道しるべ」であり、
同時に、建築の安全性・快適性・機能性を担保する「縁の下のデザイン」でもあります。

だからこそ、設計者は図面の先にある
🏢 建物の中で暮らす人々の姿
🛁 毎日使う水まわりの快適さ
🧑‍🔧 10年後のメンテナンス性まで

“見えない未来”まで想像しながら設計する力が求められるのです。

 

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HSIのよもやま話~確認事項(衛生設備編)~

皆さんこんにちは。

 

さて今回は

~確認事項(衛生設備編)~

ということで、衛生設備工事における着工前に必ず押さえておくべき事前確認項目を深く掘り下げて解説します。

 

水を「正しく」流すために、着工前に必ず見ておくべきこと

トイレ、洗面台、キッチン、浴室など、人が快適に暮らすために欠かせない「衛生設備」。
その配管や給水・排水の設備工事は、建物の基盤を支える“インフラ中のインフラ”といっても過言ではありません。

しかし、衛生設備工事の失敗は表に出にくく、完成後に問題が起こると大きな補修・再工事が必要になるため、
「事前確認」が極めて重要な工程となります。


✅ 衛生設備工事とは?

衛生設備工事とは、以下のような工事を指します:

  • 給水設備工事(上水道)

  • 排水設備工事(下水道・汚水・雑排水)

  • 給湯設備工事(ボイラー・電気温水器)

  • 衛生器具取付工事(便器・洗面台・浴槽・シャワー)

これらは、建築工事の工程において設計・構造・内装と密接に関わるため、
施工前の確認がそのまま工事の“良し悪し”に直結します。


✅ 衛生設備工事の事前確認項目【5つの主要視点】


①【設計図・仕様書との整合性確認】

🔹 設計図通りに配管できるかをチェック

  • 給水・排水の立面図と平面図の整合確認

  • 衛生器具の位置・高さ・種類・数量の確認

  • 他設備(電気・空調・建築構造)との干渉の有無

📌 特に梁下・壁貫通・床開口部の寸法と位置は、設計図だけでは見落とされがち。
現場との“実寸”確認が必須です。


②【配管経路・貫通部の事前確認】

🔹 配管ルートは最短で合理的か?

  • 垂直・水平配管のルート、スリーブの設置状況

  • 天井裏・床下のスペースの余裕確認

  • 貫通部(壁・床・梁)の補強材・防火区画処理の要否

📌 コンクリート打設後に変更が効かないため、開口位置と寸法の現場確認は着工前に必須です。


③【給水・排水のバランスと接続先確認】

🔹 水が流れ、戻らず、漏れない構造か?

  • 給水管・給湯管の圧力バランス(高圧=ウォーターハンマーの可能性)

  • 排水管の勾配(1/50〜1/100)、曲がりの回数

  • トラップ(封水)・通気管(ベンチレーター)の設置確認

  • 最終的な排水接続先(公共下水・浄化槽)の確認

📌 施工ミスによる逆流や悪臭、漏水はクレームのもと
勾配不足や通気管不設置は「施工者責任」になるケースもあります。


④【資材・機器・配管の搬入・保管・使用確認】

🔹 適切な資材を、適切に扱えるか?

  • 衛生器具の発注・納期・仮置きスペースの確保

  • 配管材(塩ビ管、銅管、架橋ポリ管など)の寸法・数量チェック

  • 接続材料(継手、シール材など)のメーカー指定品の遵守

📌 特にユニットバス・便器・手洗器などは、納期が遅れると工程全体が遅延します。


⑤【法令・条例・保健所対応の確認】

🔹 施工条件に適合するか?

  • 建築基準法・水道法・下水道法などの遵守

  • 地域の建築指導課・保健所の認可条件の確認

  • 公共管接続には事前の申請・検査手続きが必要な場合も

📌 法令違反・未届けの施工は検査不合格や営業停止のリスクも。
特に店舗や飲食店の衛生設備には保健所基準のクリアが必要不可欠です。


✅ 施工前の「立ち会い確認」がカギ

着工前には、関係者(現場監督、設備業者、設計者など)で「現場立ち会い確認」を実施することがベストです。

  • 配管ルート・スリーブ・機器取付位置の再確認

  • 変更点があればその場で合意・修正

  • 記録写真やチェックリストの作成で責任の明確化


✅ よくあるトラブル事例とその防止策

トラブル内容 原因 防止策
排水が逆流した 勾配不足・通気不良 勾配1/50以上、通気管の設計確認
衛生器具が入らない 搬入経路の不確認 搬入口・間口・階段幅を事前確認
水漏れ・結露 継手の施工不良・断熱不足 水圧試験と保温工事の徹底
検査に通らない 保健所基準の未確認 事前協議・申請・構造図の提示

✅ 衛生設備工事の成否は「準備力」で決まる

衛生設備は、見えないからこそ“間違えが許されない”設備工事です。
水は一度流れ出すと、あとから止めるのが困難なため、事前の徹底的な確認が何よりも重要です。

そのためには

✅ 設計図との整合性チェック
✅ 配管・スリーブ・器具設置の詳細確認
✅ 給排水バランスと通気構造の検証
✅ 資材と施工体制の整備
✅ 法令・地域条例の遵守と手続き確認

これらを“丁寧に、早めに”行うことが、無事故・高品質な衛生設備工事の第一歩です。

 

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