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月別アーカイブ: 2025年7月

HSIのよもやま話~多様化(給排水)~

皆さんこんにちは。

 

さて今回は

~多様化~

 

現代社会のライフラインを支える「給排水工事」は、単なる水道管の設置や下水道の整備にとどまらず、近年その役割と手法が大きく多様化しています。人口集中による都市インフラの高度化、持続可能な開発、自然災害対策、高齢化社会への対応など、多くの社会課題に直面する中で、給排水工事のあり方は進化を続けています。

1. 設計の多様化:環境・用途に応じた対応

従来の給排水設計は、一般住宅や中小規模の施設を対象とした標準化が進んでいましたが、今では次のような多様なニーズに応える形で設計が細分化されています。

  • 高層ビルや大型商業施設向けの高圧給水システム

  • 災害時の断水リスクに備えた緊急給水・貯水システム

  • 医療施設向けの無菌水処理設備や排水の高度浄化処理

  • 工場におけるプロセス排水と再利用に向けた水循環設計

これらは、各施設の機能や立地条件、環境基準に応じたきめ細やかな設計力が求められる分野です。

2. 技術の多様化:スマート化と高精度施工

IoT技術やAIの導入により、給排水設備の設置・管理にも大きな変化が生まれています。

  • 漏水検知センサーと自動遮断システムの導入

  • スマートメーターによるリアルタイム監視

  • 地中レーダーや3Dスキャナーを活用した掘削の精密化

  • ドローンによる配管ルートの点検・記録

これにより、施工精度の向上や保守管理の効率化、さらには老朽化設備の早期発見が可能となり、安全性とコスト効率が両立されつつあります。

3. 工法の多様化:非開削工法やリニューアル技術

都市部の給排水工事では、騒音・振動・通行障害を最小限に抑えることが重要視されています。そのため、工法そのものも多様化しています。

  • 非開削工法(推進工法、内面補修)
     地下を掘削せずに配管を挿入したり、既設管の内面を樹脂で補強する方法。

  • スリップライニング工法
     古い配管の中に新しい管を挿入することで、既存設備を活かしたまま機能を更新。

  • モジュール化されたユニット設置
     工場で事前に組み立てたユニットを現場に設置することで、施工時間を大幅短縮。

こうした技術は、改修工事や施設の長寿命化において有効であり、特に更新需要が増す都市インフラにおいて注目されています。

4. 環境配慮の多様化:持続可能な社会への貢献

給排水工事もまた、脱炭素社会の構築に向けて環境負荷を減らす取り組みが始まっています。

  • 雨水利用システムの導入
     トイレ洗浄や植栽散水に雨水を活用することで水道使用量を削減。

  • グリーンインフラとの連携
     地下貯留槽や透水性舗装と連動し、都市型洪水やヒートアイランド対策に貢献。

  • 排水の再利用(グレイウォーター)
     生活雑排水の処理再利用により、水資源の有効活用を促進。

環境に配慮した設備設計や素材選び、地域の自然と調和したインフラ構築が求められる時代となっています。

5. サービスの多様化:顧客ニーズへの柔軟な対応

給排水業者の役割も、単なる配管工事からより総合的なサービスへと拡張しています。

  • リフォーム事業との連携
     水まわりリフォームと連動した一括施工提案。

  • コンサルティング業務
     新築や改修における水利用計画、節水シミュレーションの提供。

  • サブスクリプション型の点検サービス
     定期点検・水質検査・メンテナンスをパッケージ化したサービスモデル。

これにより、顧客との長期的な関係構築や、工事後の継続的な価値提供が可能となっています。


給排水工事は“裏方”から“戦略的インフラ”へ

かつては目立たない存在だった給排水工事ですが、都市機能の高度化、環境配慮、技術革新、サービスの深化などを背景に、今や“戦略的インフラ”としての存在感を増しています。多様化は単なる手法の選択肢の増加ではなく、社会の課題解決や人々の暮らしの質向上に直結する価値の広がりでもあるのです。

給排水工事の現場には、これからも“水”という資源を軸にした無限の可能性が眠っています。

 

 

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